5 寸評

個々の自治体が法の趣旨をどのように理解しているかを検証すべく、自治体が策定し公表する基本方針を確認してみると、それぞれ随分と色合いが異なることがわかりました。

そして、残念ながら、法の趣旨を正解せず、おざなりな基本方針を策定する自治体も少なくありません。特に、最も法の趣旨に反していると思われるのが、法22条に定める組織の在り方です。

法は、学校内部に、いじめ対策の中枢となる組織を設置することを義務付けています。そして、組織には、生徒指導の中心となる先生たちだけではなく、一般の先生たちや外部の有識者を参画させることを求めています。

しかし、多くの自治体では、従前の生徒指導担当などのメンバーをそのまま組織のメンバーとしてお茶を濁しているのです。これでは、せっかくのいじめ法の趣旨が、教育現場にいきわたらないこととなってしまいます。法律の良い点が活かされないのは、法律家として大変もったいないと感じます。

今回の報告書では、14都市のうち上位3都市と下位3都市について詳細な寸評を行いました。

担当者が異なるため、若干注目している観点が異なりますが、全体的に見れば、具体的な対策が記載されていること、法の趣旨に合致した記載になっていることが高評価の対象となっています。一方で、抽象的記載にとどまる場合には低評価につながっていることが見て取れると思います。

(12月8日追記)

9月時点で公表されていた自治体について、12月に全て寸評を加えました。これに伴い、以前掲載していた上位3市、下位3市についての寸評も見直し、全面改訂としました。全体を一読して頂ければ、自治体チェックリストに求められるものが浮き彫りになるものと自負しています。是非ご覧ください。

なお、調査の結果、9月以降にいくつかの政令市で基本方針が公表されていることが判明しました。これらも合わせて寸評を加えるか悩みましたが、①他の政令市と比べ準備期間が長く、他の政令市の動向も踏まえて制定できるため、相対的に順位が上がると思われ、他の政令市との比較で不公平となりえること、②新たな公表の都度順位に反映させていくと、今年度の順位を固定することができなくなりますが、順位については年度ごとに固定したほうが改善の経緯がわかりやすくなることなどから、新たに公表された政令市については、来年度以降に改めて検討対象とすることとしました。


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Title: 5 寸評
Date Posted: 2014年10月6日
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