2つのことばを生きる子どもたちへ

―外国籍児童への、お話会と絵本を通した読書支援活動(公益財団法人 東京子ども図書館)
東京子ども図書館
東京子ども図書館発行の冊子

東京子ども図書館は、子どもの本と読書を専門とする私立の図書館です。子どもと本をむすぶ館外活動として、外国籍児童の多い公立小学校で、母国の昔話を語り聞かせる「お話会」を行っています。2008年より、主に東海地域で、ブラジル人を対象に活動を重ねてきました。

東海や北関東地域では、ブラジル、フィリピン、ペルー等の外国籍児童が多く住む地域があり、外国籍児童の割合が全校児童の10%~60%を占める公立学校があります。日本で生まれ育った子、来日したばかりの子と、背景は様々です。

実施する「お話(story-telling)」とは、昔話などの物語を、語り手がすっかり覚えて、自分のものとし、本を見ないで語るものです。会では、子どもたちが、自国の昔話だと知ると身を乗り出して聞いてくれます。また、普段クラスで喋らない子が、お話会の後では、自分の国について意気揚々と話し出し、教諭が驚く姿も見られます。

クラスの皆で楽しみながら、自分の国の背景や文化について共有することで、外国籍の子どもにとっては母国に誇りをもち自己肯定感を育むきっかけになり、日本人の子どもにとっては、クラスメイトに感じていた違いを理解し、交流するきっかけとなっていると感じます。

子どもたちから寄せられた「聞いたお話を本でも読みたい」「親にも昔話を聞かせたい」という声から、日本語ポルトガル語併記のお話集「ブラジルのむかしばなし」全3巻も刊行しました。この冊子はお話会を聞いた子どもたちに無料配布しています。

将来的には、地域の人材(公立図書館司書、学校司書、図書ボランティア)とこの活動を結びつけ、図書館活動の一環としてこの課題に取り組むネットワークを構築し、外国籍の子どもたちをとりまく周囲の理解と支援者の増加につなげていくことが目標です。

この活動に関するお問合せ:
公益財団法人東京子ども図書館 担当:吉田  tel: 03-3565-7711
Web   http://www.tcl.or.jp

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